ケルトナーチャネルってなに?
「ケルトナーチャネル」はトレンド系のテクニカル指標です。1本の移動平均線と、それを挟む上下2本の補助線、この3本で構成されており、上下の線が帯状(バンド状)に平行して表示されます。この上と下の線に包まれた部分の領域(チャネル)を判断材料として使います。
ローソク足の上下と中心にバンド(帯状の補助線)を表示する点がボリンジャーバンドに似ていますが、使い方はかなり異なります。ケルトナーチャネルの使い方は、「③初心者でもわかるケルトナーチャネルの簡単な使い方」で説明します。
◎ケルトナーチャネルの歴史
ケルトナーチャネルは、シカゴの穀物トレーダーであった Chester W. Keltner 氏が1960年代初頭に書いた『How To Make Money In Commodities』の中で紹介されたテクニカル指標です。
3本の線「基本線、アッパーバンド、ローワーバンド」を理解しよう
中央の線 ⇒ 基本線(中間線)
上部の線 ⇒ アッパーバンド
下部の線 ⇒ ローワーバンド
ケルトナーチャネルは、取得したい平均日数(n日間)を設定することができます。基本的には、10日間の平均を表示させて利用しますが、併用するテクニカル指標やローソク足の種類で日数を調整します。
各線の計算方法は以下のとおりです。
- 【計算法】
- 平均値 =(高値+安値+終値)÷ 3
バンド幅(移動平均値) = 移動平均(高値 - 安値)のn日間の平均
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基本線 = 平均値のN日間単純移動平均
アッパーバンド = 基本線 + バンド幅(移動平均値)
ローワーバンド = 基本線 - バンド幅(移動平均値)
この計算式が意味するものは、ある期間(指定したn日間)のレートの値動きの平均的な値幅帯を過去の値幅の移動平均から算出したものが「ケルトナーチャネル」というわけです。
初心者でもわかるケルトナーチャネルの簡単な使い方
値(ローソク足)の動きが、上下のラインのアッパーバンドとローワーバンドの間に収まるように表示させます。基本的に、値動きはこのチャネル内(上下のバンド領域内)を推移します。このチャネルから値が飛び出したときに、今後値がどう動くか予想していくのが基本的な使い方です。
アッパーバンドを値が上抜けした場合は、強い上昇トレンドが発生していると判断、反対にローワーバンドを値が下抜けした場合は、強い下降トレンドが発生していると判断できます。
ケルトナーチャネルで狙う3つ買い時パターン
まずは、予想する前にケルトナーチャネルの傾きでトレンドを判断しておきます。
傾きがありトレンドがある場合に、レートが上下のバンド付近から基本線を超えたときは順張りで買うのがおすすめです。平均となる基本線を超えたということは、その流れのまま反対バンドへとレートが伸びる可能性が高いからです。
傾きから上昇トレンドだと判断できる場合、現行レートがアッパーバンド付近から基本線へと上から下に抜けたら、このまま「下がる」と予想。反対に、傾きから下降トレンドだと判断できる場合、ローワーバンド付近から基本線へと下から上に抜けたら「上がる」と予想。
傾きがなくトレンドがない場合に、レートがチャネル内を横ばいに移動しているときは、上下のバンド付近で逆張りを狙うのがおすすめです。これは、レンジ相場ではレートが波を描くように動く特徴があるからです。トレンドがないので、上下のバンドへ近づいても突き抜けるだけの勢いはないので、波を描くように反転する可能性が高いからです。
傾きからトレンドがないと判断できる場合、現行レートがアッパーバンドを超えずに横ばいに移動しているときは、「下がる」と予想。反対にローワーバンドを超えずに横ばいに移動しているときは、「上がる」と予想。
傾きからトレンドが判断できる場合、その上昇・下降トレンドに応じて上下のバンドを超えたら順張りを狙うのがおすすめです。これは、そのトレンドが過去数日間の平均値よりも上回っている、または下回って値動きしているということなので、それだけ強いトレンドと判断できるからです。
傾きから上昇トレンドだと判断できる場合、現行レートがアッパーバンドを超えたら、更に「上がる」と予想。反対に、傾きから下降トレンドだと判断できる場合、現行レートがローワーバンドを超えたら、更に「下がる」と予想。
ケルトナーチャネルは、トレンドの強弱だけでなく、トレンドの方向性や継続、転換、加速、収束といったことまで判断できる魅力的なテクニカル指標点なんです。