概要
読み方:けいざいしひょう
英語:Economic Indicators
経済指標とは、日本や米国、ユーロをはじめ各国の政府・公的機関が発表する経済の状況を構成する要因を数値かしたものです。
為替市場や株価など金融市場はその国の経済に大きく影響するため、ファンダメンタルズ分析に利用されています。
なかでも世界基軸通貨である米国の経済指標はほとんどの市場に影響するため、各国政府要人や専門家はもちろん世界中の個人投資家が注目する世界最大の経済指標発表となります。
●経済指標の種類
経済の状況を表す指標は以下の項目に分類することができます。
・金利に関する指標(政策金利)
・景気に関する指標(GDP、景況感調査、消費動向)
・雇用に関する指標(雇用統計)
・物価に関する指標(物価上昇率)
・貿易に関する指標(貿易赤字)
国内の主な経済指標
●GDP(国内総生産)
内閣府が四半期ごと(1月、4月、7月、10月)に速報を公表、その半月後に2次速報が発表されます。速報は発表月の約10日ごろ、朝8時50分頃の発表となります。
●日銀短観
「企業短期経済観測調査」の通称で、日本銀行が日本の上場企業や中小企業に対して行う業況調査の事です。売上高や雇用者数を数値として測る「計数調査」と、生産や売上などの項目を【良い】【さほどよくない】【悪い】から選択させる「判断調査」がある。
特に「判断調査」は【良い】を選んだ好況を感じている企業の比率から感じていない企業の比率を引いたもので、景気判断の指標として為替や株価へ強い影響力があります。
企業への調査は3月、6月、9月、12月に行われ、一ヶ月後の初旬から中旬に発表されます。
●国際収支
一定期間内の対外経済取引を要約したもので、経常収支と資本収支に分けられます。様々な要因から数値が変動するので黒字だからといって全て良いとは限りませんが、基本的には黒字だと対外経済が活発でその国の収益が増えて経済が発展していると見られます。
発表は毎月中旬12日ごろで、2ヶ月前の数値が公表されます。
●機械受注
設備投資の先行指標として代表的な指標で、約半年の先行性があると言われています。
発表は毎月中旬、国際収支と同じで2ヶ月前の数値が公表されます。
海外の主な経済指標
●アメリカ(USドル)の主な経済指標
・米雇用統計
・米国消費者物価指数
・米政策金利
・米四半期GDP
●ユーロ圏(ユーロ)の主な経済指標
・ユーロ圏GDP
・ユーロ圏消費者物価指数(HICP)
・ユーロ経済信頼感
・ユーロ圏失業率
・ドイツZEW景況感調査
●イギリス(ポンド)の主な経済指標
・英四半期GDP
・英失業率
・英消費者物価指数(英CPI)
・英政策金利
●その他の国の主な経済指標
・豪中銀政策金利(オーストラリア)
経済指標が為替市場に与える影響
●予測値との差があればあるほど大きな影響を与える
発表された数値から分かる景気の良し悪しは長期的なトレンドを形成する材料となりますが、それぞれの経済指標には大手企業の専属エコノミストや経済の専門家たちが公表する予測値があり、発表された数値にズレがあると大きく動きます。