これだけ覚えれば大丈夫!ユーロ圏の重要な経済指標
経済状況の最も重要な判断材料となる経済指標で、ユーロ圏各国のGDPを合わせたものでその規模は世界最大となります。 3月、6月、9月、12月の中旬、日本時間で19時頃に発表されます。米四半期GDPと同じように、改定値が速報値の翌月、その翌月に確報値が発表されます。
欧州の物価の変動を表す指標で上がっていればインフレ傾向、下がっていればデフレ傾向となります。基本的にインフレだと好況、デフレだと不況と判断されます。
速報値が毎月上旬、重要な産業だけで算出した消費者物価指数のコア指数が中旬に発表されます。 また、消費者物価指数は金融政策の判断材料にもなるので、合わせて政策金利もチェックする必要があります。政策金利は欧州中央銀行(ECB)が月一回の理事会で決定し、毎月上旬に発表されます。
ユーロ圏の経済関係者らに聞き取り調査を行い、100を基準としそれより上であれば景気が良く、下であれば景気が低迷しているという判断になります。
各国でも経済信頼感は発表されていて、中でもユーロ圏の経済を引っ張るドイツの指標は特に注目され、数値によっては激しく値動きします。 発表は毎月月末、日本時間の18時(冬時間では19時)です。
景気が良いときは雇う人も増えるので失業率は景気判断の重要な指標となります。ドイツやフランスなど国別でも発表されますが、ユーロ圏全体の失業率もEU統計局(ユーロスタット)から毎月上旬に発表されます。 ユーロ圏の失業率は常に高い傾向にありますが、2013年6月に発表された12.2%という数字は1995年の統計開始から過去最悪の数字で、現在でもギリシャの若者の3分の2が職につけないなど問題を抱えています。
ユーロ円だからってユーロ圏だけ見てても勝てない!他にチェックすべき2つの国と通貨
為替市場ではドルの流通が一番多く、世界の通貨価値の基準となっています。ドルが動けば世界が動くのです。 後述しますが、円、ユーロ、ドルには相関関係があり、勝率を上げるには総括的に見る必要があります。
2013年現在、高い失業率とギリシャ問題以降の不況もあってユーロ圏のどの国も特別に景気が良い状況とはいえません。そんな中、ドイツだけは貿易収支、経常収支は大幅な黒字で一人勝ちの状態です。 ユーロの指標よりもドイツの指標の方が市場に与える影響が大きいと言われるくらいで、ユーロで取引をする場合ドイツの経済の状況や指標はチェックするべきです。
ドイツの主な経済指標を下にまとめています。
・失業率
・貿易収支
・GDP
ユーロ圏経済指標発表時の売買タイミング
色んな通貨や経済指標の影響を受けるユーロですが、逆に言えばそれだけ値動きを狙うチャンスがあると言えます。
攻略に利用するのはもちろん60セカンズ、このページで紹介した経済指標はもちろん、米政府や日本の経済指標発表時もチェックするようにすると1日のうち朝8時頃(日本)夕方18時頃(ユーロ)夜21時半ごろ(アメリカ)と攻略法のチャンスが生まれます。
さらにユーロの特徴を知っておけば攻略がはかどる
ユーロが為替市場で取り扱われるようになった1999年からだんだんと流通量が増え、以前は各国の外貨準備としてドルを保有している国がほとんどでしたが、近年はユーロを保有する国も増え、今ではドルの次に取引量が多く、ドル・円と並び世界三大通貨と言われるほどになっています。
世界2位の流通量を誇るユーロは円やドルに比べて金利が高い事もあり、ドルに何か悪い材料があった場合は真っ先に買われる通貨となっています。つまりドルが売られればユーロが買われ、ユーロ高となります。
円・ドル・ユーロには相関関係があると前述しましたが、どんな関係があるのでしょうか、簡単な計算式を使って説明します。
ドル/円 × ユーロ/ドル = ユーロ/円
分数の計算ですが、ドルと円とユーロは上のような計算によってそれぞれ影響しあっているのです。
例をあげて見てみましょう。
わかりやすく、ユーロ円は100円、ドル円は100円、ユーロドルは1ドルだとします。このとき、米政府が為替市場に介入し多くの円を買い、ドル円が90円になったとします。 この時、米政府が介入したのはドル円なので、ユーロドルはそのまま1ドルだったとすると、ユーロドルはいくらになるでしょう?
ユーロ円の計算式は図の通りですから、ユーロ円=ドル円(90円)×ユーロドル(1ドル)=90円となり、結果的に米政府が介入していないユーロ円などほかの通貨にも影響を与える事がわかります。 何となくでもこの計算式を頭に入れておくと、為替の全体的な動きを把握しやすくなります。為替の動きがわかれば勝つ確率も上がるでしょう。つまりは三段論法の原理で、計算式がわかれば為替市場を利用した投資で勝てるようになるというものです。