概要
読み方:にほんえん
英語:Japanese Yen
円は日本の通貨単位で、通貨記号は(¥)。ISO 4217の通貨コードは【JPY】で表記されます。為替市場では【日本円】という表記がよく用いられています。
日本円は日本銀行が発行し、米ドル、ユーロに次ぎ、世界で3番目に多く取引されています。
補助通貨単位は「銭」「厘」ですが、昭和28年の「1953年末に小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」によって取引が禁止されていて、現在では為替市場など少額物品の単価見積もりで便宜的に利用されています。
紙幣・硬貨の種類と発行
●紙幣は1万円、5千円、2千円、千円の4種類
硬貨は500円、100円、50円、10円、5円、1円の6種類があります。
通貨(日本銀行券)の発行は日本銀行が日本で唯一行なっています。
為替市場での日本円の特徴
●リスクが少ない「安全資産」としての日本円
近年、世界の政情不安や金融危機のリスクが高まると、円が「安全資産」として見なされているため円が買われる傾向があります。これは、日本が戦争や紛争のリスクが少なく、テロの標的にもなりにくいと考えられていることと、経済状況においても慢性的な経常黒字を続けていることで円が暴落する可能性が低いと考えられているからです。
以前は「有事のドル買い」という言葉の通り、戦争など世界的な金融危機のリスクが高まるとドルが買われていましたが、最近では「有事の円買い」という言葉も出てくるほどです。
●自国よりも海外の要因に反応する日本円
安全資産と考えられている日本円は基本的に自国の経済指標での影響を受けにくく、他国の経済指標により価値が変動します。
特に米ドルとの関係が強く、米ドルの動きが円相場に強く影響を与える傾向があります。
●ゼロ金利政策と円キャリートレード
2013年8月現在、日本の政策金利は「0.01%」でアメリカの「0.25%」、ユーロの「0.5%」と比べると明らかに低く設定されています。低金利ということは、その国の通貨を保有していてもあまり利益が出ないということです。
しかし、この低金利を利用し、一度日本円を借入れ、他の金利の高い金融資産を持つことで利益を取ろうとする投資手法があります。円キャリートレードと呼ばれ、一時期流行、円安が拡大しましたが、2007年のサブプライムローンを発端とした金融危機後、日本と他国の金利差が縮まり、近年では解消しています。
しかし、今後金利差が拡大するようであれば、キャリートレードが流行し、低金利の通貨が急落する可能性もあります。